自身のBMXライダーとしての経験を元に、着心地の良さや機能性、使い勝手の良さにフォーカスしたアイテム作りをモットーにメンズアンダーウェアを中心に据えたアパレルブランド「TAB UNDERWEAR(タブ・アンダーウェア)」。
20代前半、当時スポンサーを受けていたドメスティックブランドからある時リリースされたアンダーウェア。絶妙なはき心地の良さと機能性で「こんなにストレスを感じないアンダーウェアがあるなんて!」と驚いた。そして、そのアンダーウェアはコンテストで必ずはく「勝負パンツ」となり、自分のライダーキャリア最高潮の時代を支えてくれた。しかし、シーズンごとにアイテムが変わるコレクションブランドだったため、その後、そのモデルがリリースされることなく、以後それを超えるアンダーウェアを常に探し求めることになった。しかし、ついにそのような逸品に出会うことはできず、いつからか「無いならば自分で作りたい」という思いを胸の中に抱き続けることとなった。この思いこそがTAB UNDERWEARをスタートさせる大きなきっかけ。
BMXライダーとして活動する間、動きやすさ、着心地の良さ、着回しのきくベーシックなデザインを好みの中心として洋服を選んできた。機能性に特化したコテコテのスポーティな洋服ではなく、BMXライダーとしてのアイデンティティを形作る要素の一つである「自分らしいかっこ良さ」が出る洋服選びが自分の中でのブレない基準であった。ただ、やはり激しい動きで自転車を乗りこなすBMXライディングにとって、身につけるウェアが快適さや機能性を備えているに越したことはない。つまり「自分らしいかっこ良さ」と「快適さ・機能性」の両立が理想の完成形。TAB UNDERWEARが目指すのはそのベストコンビネーション。
20数年の間、BMXライダーとして全国、そして世界のコンテストやショーを渡り歩いてきた。当然のことながら、飛行機や車をはじめ、様々な形での移動を伴う。自分のBMXライフにとって「旅」は切っても切り離せないもの。旅を重ねれば重ねるほど同時にどんどん旅上手になり旅そのものが好きになっていく。違う言葉が飛び交う国での乗り物の乗り方、洋服やグッズのベストな選び方、コンパクトな荷物のまとめ方、現地で地元を楽しむちょっとしたテクニック、etc. そんな旅からのインスピレーションをひとつずつ丁寧にアイテム作りに反映させたい。もちろんTABのアンダーウェアは旅の移動でのストレスの軽減や旅先でのリラックスを求めた結果、この上ない「一度はいたらやめられない」仕上がりになっている。ぜひTAB UNDERWEARと一緒に旅に出て欲しい。
些細な違いであっても、それが同じ素材の生地であっても、編み立て方や縫製の仕方で洋服の着心地は大きく変わってくる。それはまるで同じトリックでも手や足の角度や切り返しのタイミングなど些細な違いやこだわりが「オリジナリティ」を醸し出すBMXのライディングのよう。その違いにこだわり続けてきたスタンスをブランドやモノづくりにも活かして、納得のいく「良いもの」を多くの人に提供できる、そしてTAB UNDERWEARをライフパートナーにしてもらえるようなブランドに育てていきたい。
伊東 高志/Takashi Ito